企業理念と起業理念
会社や組織における理念は重要です。理念とは、各社によって表現の違いはありますが、ミッションや存在意義のことです。多くの経営者が理念の作成や見直しに力を入れますが、創業者と二代目(三代目以降も含む)では、理念というものの捉え方に少し違いがあると感じています。
創業者と二代目の違いは、一言でいえば、経営者としてどのようなリーダーシップが必要とされるかの違いです。創業者にはゼロから有を創る“創生”のリーダーシップ、二代目には出来上がっているものを継承し、守り、発展させていく“守城”のリーダーシップが求められます。どちらが優れているとかではなく、役割の違いだと言えるでしょう。
二代目が理念を見直したり再構築するときには、ある程度事業基盤が整ったなかで理念を見つめなおすので、まずは「経営の現状」をしっかり捉えることからスタートします。理念が今の時代に合っているか?企業と社員が同じ方向を目指すためにはどのような理念にすればよいか?ということがテーマになり、どちらかといえば洗練されたものを目指す傾向が強くなります。きれいにまとめようとするあまり、どこにでもあるような理念になりがちなので、その点には留意した方がいいでしょう。
対して創業者の場合は、事業自体がまだない(整っていない)状態からスタートします。この時点で理念を作成するのであれば、とにかく新しい世界を開拓していくため、志の火を燃やし続けるためのカンフル剤のような役目を果たしてくれる理念にした方がよいのではないでしょうか。どちらかというと荒削りになりますが、ストレートに心に響くことが多いです。
前者を企業理念、後者を起業理念と呼びたいと思います。これもどちらがいいとか悪いではなく、その時に必要な理念であればそれでいいのではないかと思います。
ちなみに当社リジョイスコンサルティングの場合は、理念が先にあって、その理念を達成するために自分は何をしようか、どんな事業をしようかと考え、人事・人材・新規事業の分野で理念を達成しようと思い起業しました。
“When you were born, you cried and the world rejoiced. Live your life so that when you die, the world cries and you rejoice. ”
“ あなたが生まれたとき、あなたは泣き、人々は笑った。あなたが死ぬとき、人々は泣き、あなたは笑っている。そんな人生を送りなさい。”
これはアメリカインディアンに伝わる言い伝えです。この言い伝えから“rejoice”の単語を貰って社名にし、この言い伝えを当社の理念としています。皆様がこのような人生を送れるお手伝いが出来るように、人事・人材・新規事業の分野で当社ができることは何か、について日々勉強です。私自身も、当社の仕事をする中でこのような人生を送れるようになりたいと思っています。