第一段　コンサルタントという仕事

　私の名刺には職業名が３つ記載されている。コンサルタント、研修講師、作家だ。独立した当時、自己紹介をするときは
「コンサルタントです」
と名乗っていた。すると必ず
「コンサルタントとは、どんな仕事をしているのですか？」
と聞かれる。こちらが詳しく話せば話すほどますます分からなくなるようで、聞いている方も、
「聞かなきゃよかった」
と後悔しているのがよく分かる。お互いに、はやくこの話を切り上げようとするのだが、聞かれて答えている私の方からは切り上げづらい。そんなときに相手が、分かっていても分かっていなくても
「そうなんですね、分かりました」
と言ってくれると、まるくおさまる。